614話妄想 【ヤっちまったモンはしょうがねえ】
「ヤっちまったもんはしょうがねえだろ!!ガタガタ抜かすな!」
「あんた、こないだサンジ君にも同じような事言ってなかった?」
「あ?何の事だ」
「ハイおっしゃってました。シャボンの中でゾロさんに青姦された挙句、ルフィさんに見られた事を嘆くサンジさんに言ったセリフ。私しかと聞きました。耳ないんですけど。」
「言ってねえよ。見られちまったもんはしょうがねえっつったんだ!つかてめえら盗み聞きしてんじゃねえよ!」
「サイテー!!ホントケダモノよね!」
「ゾロちん怖い〜!」
「まあまあそうは言っても、ああ見えてサンジさんもお好きですから。」
「わかってんならほっとけ」
(サンジにはとても聞かせられねえ・・)
本人がこの場にいたら、出血多量どころか、ショック死しかねない会話が繰り広げられる中、良識人のウソップだけがサンジに同情していた。
「とりあえず必要なもんは、サニー号と残りのクルー。暗黒女にロボット一台にタヌキ。 あと・・エロガッパだ!」
フカボシに向かって偉そうに告げる剣士。
「エロガッパが特に必要みたいですヨホホホ」
「ったく、ちょっとは隠しなさいよ。」
「うるせえな。ホントに必要なんだからしょうがねえだろ。」
勿論ロボットやタヌキに暗黒女も必要なのには違いないが。
「お前なあ、しょうがねえで何でもすますんじゃねえよ・・」
そんな剣士を狙撃手が諭す。
だが、聞いてるのか聞いてないのか、
「ったく鼻血なんかでいちいち寝込みやがってあのアホが!」
「これから毎日アイツの中に出しまくるって決めてたのに。どーしてくれんだ」
などと腐った事を声に出して呟く始末。
「おーい、聞こえてるぞ。そういう生々しいことはせめて心の中で言え。」
どうやら、先ほどからのウソップの突っ込みは、コックに突っ込むことで頭が一杯な剣士の耳にはぜんぜん届いていないようであった。
そうして、ゾロの要求通り、警備隊たちがタヌキとエロガッパを迎えにやって来た。
病み上がりにもかかわらず、さっきも元気に自慰行為をヤリかけ、しかもそれをトナカイに気付かれるというトホホな状況に陥っていたコックは、竜宮城に行く気満々だ。
「死んでも行く!」
こぶしを握り締め、心に誓う。
(トナカイのヤツは警備隊が自分たちを捕らえにきたと思い込んだのか、錯乱状態だがオレにとっちゃ願ってもないチャンスだ)
(にんぎょひめに会えるんなら俺はしんでもいいぜ。)
(あのクソケダモノヤローもいるみてぇだが、あんにゃろうにばっかいい思いさせてたまるかっつんだ!)
(人のカラダ使って好き勝手しやがって・・)
サンジの身体のあちこちには、いまだ、ゾロにあれやこれやされた痕が消えずに残っている。
チョッパーにはデカイ虫に刺されたと言ってゴマカした。
(あくまでメインはにんぎょひめちゃんだが、あのアホのようすもちっとは確認してやってもいい。)
(ま、ついでだけどな。)
(あのクソヤローにヤられた時の事を思い出して、さっきベッドでちょっと興奮しちまったことも、トナカイに誰にも言うなってゆっとかねえと!)
(俺はオカマでもホモでもねえ!)
(人間の男なら誰にでもある生理現象なんだからな!)
(出血多量で死にそうになったすぐ後だってのはこのさいスルーだ。)
「サンジ!お前病み上がりなんだぞ!」
「自慰も控えろよ」
「あと、ゾロとの交・・」
「じ、自慰っていうな!!とにかくそれは忘れろ!今度言ったら鍋の具にすっからなっ!」
二年たってますますアホになってしまったかわいそうな子だが、とりあえず再びクルー全員合流・魚人島脱出、
船長は海の森をめざし、さらなる冒険へ突き進む一行であった。
【615話妄想へつづく】