第628-645話魚人島総力戦 1 】



ジンベエ「作戦名を・・・・・・・」

サンジ「いらねえよ!急ぐぞ!」

魚人島に麦わら海賊団が全員集結する少し前。

サンジは、檻に閉じ込められた仲間を救出のため、竜宮城に向かっていた。

(クソ世話が焼けるヤローだぜ)

(あんにゃろうはオレがいねえとすぐ迷子になりやがる)

(ったくしらほしちゃんをお守りするハズがなんだって筋肉マリモや骨や鼻の面倒みなきゃなんねーんだよ!!)

だがそんな風にアタマの中で罵る一方でコックの顔は満面の笑顔だった。

当然周りの通行魚人は、ニコニコしながら全力疾走する人間の男を不気味そうに遠巻きにしている。

だが、ルフィほどじゃないにしても空気の読めない男がそんなことまで気づく筈もなく、ちっさい脳みその中では相変わらず

(腹減らしてんじゃねえか)

とか

(ケガとかしてねーか)

とか

(これが終わったら腹いっぱい食わしてやりてーぜ)

とかあの男の心配ばかりだ。

(それに)

(もうすぐアイツの誕生日だし)

(こんなときだけど、ツラ見たらおめでとうって言ってやりてぇ)

サンジは胸の中からぽわぽわしたモノが突き上げてくるのを押さえきれず、にんまりと笑った。

だって2年ぶりにゾロにおめでとうを言えるのだ。

(ケーキは作れなかったけどな)

この2年間、仲間達の事を考え続けてきた。

特にイカツイ顔の男と過ごした日々を回想すると胸が締め付けられそうだった。

一瞬で七武海に消されたあの光景。

強い敵を前にしたときのゾクゾクするような楽しそうな顔をしてたのに。

ゾロでも敵わなかった。

好物を出してやれば皿を抱え込んで必死に口に入れたり、ケンカを吹っ掛ければ簡単に煽られたり。

ヒマさえあればあの男の色んな表情が切り取ったように頭に浮かんだ

だが、この二年はゾロに抱かれた事だけは、あえてなるべく考えないようにしてきた。

何故かといえば思い出すとどうしても身体がエロモードに切り替わってしまうからだ。

(だってあんな筋肉野郎思い出してサカるなんざどーしても俺のプライドが許さねー。)

無理やり弄られれば快感を引き出されるのも仕方ないが、一人であの男の事を思い出して体が火照ってしまうなんて恥ずかしすぎる。

しかもこっちは突っ込まれる側なのだ。

そんなのは身体がレディ化してるみたいだし、男に抱かれたがってる変態みたいだ。

この島に飛ばされたのもなにかの因果かと思ったものだ。

それでも一度だけガマンできなくてあの男に抱かれた時のことを思い出して抜いてしまった。

その日はロロノアゾロの誕生日だった。

分厚い皮に覆われたかさついた手。

あの無骨な手で、胸だとか腰や背中

自分でも触れたことのない狭いところを弄くられた。

胸もないし股間ではおんなじモンおっ勃てた筋肉質で硬いカラダ

こんな自分になんだって欲情するんだか未だに分からない。

【第628-645話魚人島総力戦 2へつづく】






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