第628-645話魚人島総力戦 4 】



「だいたいてめーはいっつもいつも・・ってあり?」

「オイ、いねえぞ」

キョロキョロと周囲を見渡すコック。

足元に魚人が倒れている姿はあったが、気付けばブルックと狙撃手の姿は忽然と消えていた。

「ま、大丈夫だろ」

へーぜんと腕を組む剣士にサンジも

「そーだな。」

と答える。

いなくなったのはナミやロビンじゃないから、さほど気にならないのだろう。

ゾロがサンジをじっと見た。

急に空気が変わったことにややドギマギする。

二人きりになったのはあのシャボンの中以来だ。

サンジは汗だくの自分の身体から体温が上昇し始めたのを感じた。

(ヤベー)

(いま抱きしめられたりとかしたら)

(俺、汗くせーかも・・)

さりげない風を装ってポケットから煙草を取り出そうとする。

その手をゾロの熱い手が掴んできた。

焼けつくような視線で焦げそうだった。

そんな風に思うサンジのまなざしも十分に熱かったのだが、本人は気付いていない。

強い力で引き寄せられる。

「お、おい!」

「うるせー。そんな目で見るほーがわりい」

ごつい手に顎を掴まれ、文句を言おうとした唇を塞がれる。

(そんな目ってどんなんだよ・・!)

「んんっ・・!」

厚い舌が侵入し、口内を蹂躙。

サンジはゾロにキスされるのが好きだから、自然と身体の力が抜けてしまう。

髪の感触を確かめる様に後頭部を撫でられ、胸の中から幸せな感情がじんわりと湧き起る。

目を閉じてゾロに身体を摺りよせると、目の前の男は呻り声を上げ、細い身体を壁に押し付けた。

「ちょっ・・!オイ」

振り返ったサンジの唇を塞ぎ、細い腰からベルトを引き千切る。

(なにすんだこのバカ力!!)

だがそんなこともぬるりとした舌の感触に翻弄され、抵抗も弱弱しく身体を押し返す程度に留まってしまう。

ゾロはサンジの抵抗が少ないのをいいことに、ズボンを引き摺り降ろそうとした。

【第628-645話魚人島総力戦 5へつづく】






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