僕らが旅に出る理由6
口でも何度もしてやった。
男のモノをしゃぶった事なんてなかったが、少しでもゾロを喜ばせたかったから、汗の匂いのするチンコをくわえ、一生懸命奉仕した。
カリの部分をなめるとゾロが声をもらしてキモチよさそうな顔をするので嬉しくなって舐め続けた。
ひょっとしてゾロはそんな自分をみながら,
『ヤローのんなモンしゃぶって嬉しそうにしやがって変態野郎が』とでも思っていたのかもしれない。
(夕飯に来なかったのも、もう俺の作ったメシなんてキモチワルくて食いたくねえのかもしれねーな)
セックスなんかするんじゃなかったと初めて後悔した。
「んナミすわ〜んロビンちゅわんwデザートもあるヨホホ〜ww」
満面の笑顔で女性陣に給仕しながらも心臓が痛くて痛くて仕方がなかった。
その夜。
甲板では深夜にもかかわらず、汗まみれで片手で親指腕立てをするゾロの姿があった。
(クソ。はらへった・・)
昼間のコックの凍りついた表情が浮かぶ。
あんな顔をさせたかったわけじゃなかった。
昼間おやつを持ってきた時にはあんなに嬉しそうに笑っていた。
ばつが悪くて夕飯も食べず鍛錬し続けた。
サンジのキモチが知りたかっただけなのだが、どう切り出したらよいか解らず、あんな言い方になってしまった。
腕立てをやめ立ち上がると、キッチンにまだ明かりがついてるのが見えた夕飯を食べなかった自分を待っててくれているのかもしれない。
(グダグダ考えてもしょうがねえ)
ゾロは汗まみれの身体のまま、キッチンへ向かっていった。
キッチンに入るとコックがテーブルに突っ伏していた。
(寝てんのか?)
近づくとなんだか酒臭い。
床にラム酒とワインの瓶が転がっている。
ゾロは頬っぺたを真っ赤にして、あどけない顔でくうくう眠るサンジをじっと見つめた。目元が濡れている。
自分が知るサンジはいつでもシャキシャキよく働いて、宴会以外でこんな風に酔いつぶれるなんてめったになかった。