僕らが旅に出る理由11



再び顔を隠すと、口を尖らせてぽそっと呟いた。
 
「…好きでもないヤローのチンコなんて…しゃぶれるワケねーだろ。つか、わかれっ…!んあっ…なっ?」

急に指を引き抜かれ、思わず声が出てしまった。

蒼い瞳で見上げると、あの仏頂面の男が満面の笑顔で破顔していた。

「お前…その顔…」

「よしっ」

ビックリしてたらゾロにギュウーっと抱きしめられ、くぐもった声で耳元でささやかれた。

「じゃあテメェオレのなんだな?」

それを聞いた瞬間、なんだかいままでのいろんな出来事や悩んでたことなんかが一気に走馬灯のようにブワーっと駆けめぐった。

ついでにに涙や鼻水もダーっと流れてきてゾロの肩を濡らす。

「泣くなよアホ」

ドーブツみたいにサンジの頬に流れる涙や鼻水をベロベロ嘗めてきた。

(ホントコイツケモノだよな)

でも嬉しかった。

顔をなめるゾロの舌がカワイイので自分からもペロリとなめる。

「テメェ…!」

ゾロが顔を赤黒く染めて怒鳴ってきた。

舌を出したままぽかんとしてたら

「んな顔ほかのヤツに見せたら殺すからな」

と、独占欲丸出しで脅してきたので思わず吹き出した。

「笑うなっ!」

と言って抱きしめられる。

(何だよコイツ可愛いスギだろ)

こみあげる笑いを堪える。

ゾロのキモチがわからなくてツラかった日々がウソみたいだった。

一見酷薄そうに見えた琥珀色の瞳は、実はサンジへの想いに溢れていた。

ゾロに抱きしめられながらいまならいえそうな気がして言った。

「…なあ、テメェ次の島着いたら買い出しつきあえよ」

「あ?」

「お前の好きそうな酒…買ってやっから」

ゾロの肩に顔を埋めたサンジの耳がピンク色に染まっている。

なんとなく昼間のよもぎ饅頭の上に乗っかっていた桜の花びらを思い出した。

金色の頭をぽんと叩くと

「んじゃ一緒に花見でもすっか」

という言葉が自然に口をついて出た。

思わずサンジが顔をあげる。

「昼間トナカイが次の島で桜がみれるっつってたからな。」

「…へえ〜そうなんだ。」

「おう。お前みたことねえだろ?」

「お前はあんのか?」

「俺の村に咲いてた」

「なんかお前の村良いとこみてえだな」

サンジが柔らかい表情を浮かべた。

その顔みたらじわっと胸が温かくなった。

白い手がゾロの頭を引き寄せる。

「続き、しようぜ」

その言葉を合図にゾロの理性が吹っ飛んだ。


「んあっぞろっ…俺ヤベエっ!」

「イイの間違いだろ」

「んっ…スゲエキモチイイ…ぞろ…俺っすきだっ!」

ゾロに貫かれながらサンジがまた手をのばしてきた。

その手を掴み、腰を上げさせてさらに奥までつらぬく。

「んあああっ!…ぞろぉっイクっ!!」

サンジがイったのと同時に奥の感じる部分に向けて大量にビュービューと中出しした。

サンジはイった後も全身をビクビクと痙攣させ、尖端からは、ザーメンをコポコポ溢し続けている。

「…オレっまだイッてるっ…とまんねっ…!」

ゾロは涙でグチョグチョの顔にめちゃくちゃに口づけて、細いカラダを折れんばかりに抱きしめた。

いとしさで頭がヘンになりそうだった。

(島に着いたらコイツと桜みながら、俺の村の話してやろう。きっとアホみたいに喜ぶだろう。)


その夜サンジはゾロに抱きしめられながら夢をみた。

夢の中では、ゾロと二人でいつまでも桜の花びらが降ってくるのを見上げていた。

終わり





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